平成5年に障害者基本法が成立し、精神障害者も福祉の対象として明確に位置付けられ、これを受けて精神保健法も平成7年「精神保健及び精神障害者の福祉に関する法律」に改正されました。この法律では精神障害者の社会復帰のための福祉施策の充実が示され、医療中心のケアだけでなく地域生活の支援の重要性も指摘されています。また、社会福祉基礎改造改革においては、福祉サービスの自己選択・自己決定、質の高い福祉サービスの提供、地域生活を総合的に支援するための地域福祉の充実が理念として掲げられ、与えてもらう福祉から、自己責任においてサービスを選ぶ福祉に改革していきます。
私たちは、平成8年より精神障害者の共同作業所として佐伯町では「にじのえき」、廿日市市では「さくら事業所」を地域住民の理解を得ながら運営を続けております。5年を経過した現在、多くの方々が利用されるようになりました。作業所での支援は、単に作業所のなかだけではなく、自宅への訪問・電話相談・日常生活の支援など多岐にわたっています。しかし、病状や障害者の程度により作業所に通所することも困難で、在宅で行き場もなく、将来の不安を抱えて暮らしている人も非常に多くいます。
私たちは、障害者の方々が地域で自立した生活を送り、自己決定が尊重されるような支援システムを作り、ハンディキャップを持っていても社会参加が可能な社会的基盤づくりを進めていきたいと考えています。また、障害者の生活を支援すると同時に障害に対する理解や啓発を通して、障害のある人もない人もともにすみよい町づくりに力を尽くしたいと考えています。